勤務医がスキルアップできる歯科医院とは?

  • 歯科医師

臨床医として勤務している先生が、日々の目標として設定していることの一つに「スキルアップ」があるのではないでしょうか。同じような治療、同じような治療成果で満足していてはスキルアップにつながらないだけでなく、患者さんの利益になりません。そこで今回は勤務医の先生がスキルアップをするためにどのようなことをしたら良いか紹介していこうと思います。

スキルアップできる条件

若手歯科医師が臨床で成長するために必要なことは「実践と検証」です。治療の選択から手技に至るまで「実践と検証」を繰り返すことでスキルアップへつながります。そんな「実践と検証」をするために必要な職場にはどのような条件が求められるのでしょうか。

指導医がいる

歯科医師の中には「臨床研修医指導医」という資格を保有している先生がいます。この資格を保有するためには一定期間以上の臨床経験や講習を受講しなければいけません。

また、指導医なので形成や根治など技術的なアドバイスはもちろん、患者さんへの接し方やマナーなどについても指導してくれます。

患者数が多い

若手歯科医師が抱える問題の一つに「患者さんに触れない」という問題があります。これでは「実践」ができませんよね。実際、若手歯科医師の中には就職しても半年間はアシストだけしかやらせてもらえないという人がいます。その一方で、就職してすぐにできる範囲の治療(簡単なC処や普通抜歯・根治など)を任せてもらえる医院もあります。半年間経過すればどちらの歯科医師の方が技術が上がるか一目瞭然ですよね。

患者さんの来院コンプライアンスが良い

患者さんの治療をしても来院コンプライアンスが悪い患者さんばかりでは治療の経過を追えません。つまり、「検証」ができないということです。歯周病治療を始めても患者さんの来院ペースが悪ければ意味のない治療になってしまいます。ある程度、患者教育ができている医院の方が若手歯科医師にとって有益になるのではないでしょうか。

長く勤務できる環境

若手歯科医師の問題になってしまいますが、最低でも3年以上は同じ職場で勤務するようにしましょう。例えば、根治をしても感染歯質を取り残したまま根充してしまえば根尖性歯周炎のリスクが高くなります。3年あれば自分の治療で失敗したところや改善すべき点がより明確に見えてきます。
給料が良いという理由でエビデンスを無視した治療をするような歯科医院へ転職を繰り返す若手歯科医師がいますが、自分の治療を検証して反省することでスキルアップへつながると思います。長く勤務できる福利厚生や給与形態のところが嬉しいですね。

若手歯科医師が成長する環境とは?

若手歯科医師が臨床をしながら成長するために必要な環境とはどのようなものなのでしょうか。若手歯科医師の立場になって紹介していきます。

症例数が多く幅広い

若手歯科医師が成長するためには症例数が重要です。前述の条件面でも挙げたように、患者さんを触れないと成長する伸び代が少なくなります。また、触れても保険診療のみしかしない医院では自費診療へ触れる機会が少ないですよね。できれば保険診療から自費診療まで、インプラント治療から総義歯まで幅広い治療に触れられる医院を選ぶようにしましょう。

材料について細かく言われない

歯科治療で切っても切れないのが材料です。印象材や器具、薬など使用する材料の種類は多いです。そんな材料の使用に関して院長やスタッフから細かく言われるような職場では若手歯科医師が成長するとは思えません。印象採得で失敗しても何度でも挑戦させてくれるような職場と患者さんがいる医院を選びましょう。

先輩が就職している医院

大学の先輩や所属していた部活・クラブの先輩が勤務している医院を選択肢に考えている若手歯科医師もいるのではないでしょうか。臨床ですぐに頼れる存在が身近にいることは重要です。先輩歯科医師にしっかりと技術があれば、先輩から勉強できることが多いと思います。

勉強会や研修会・セミナーの有無

歯科医師にとってスキルアップの場となるのが勉強会やセミナーです。若手歯科医師にとって参加費は高額でなかなか手が出しにくいですよね。医院の中には勉強会やセミナーの参加費の一部を負担してくれるところがあります。外部講師の話を聞いてスキルアップしたい方はぜひ検討してみてください。

ミスマッチングを防ぐために

勤務医としてスキルアップできる職場に出会うためにはどのようにすれば良いでしょうか。自分が思い描いていた医院像と実際の医院像がミスマッチをしてしまうと労働意欲が下がってしまうことがあります。そこでミスマッチングを防ぐために重要なことを紹介していきます。

口コミを聞く

歯科医院は患者さんサイドだけでなく、医療従事者サイドからの口コミがあります。院長が怒りやすい・衛生士さんの離職率が高い・若手歯科医師が長く勤めていないなど口コミを集めてどのような歯科医院なのか判断しましょう。

実際に見学へ行く

ミスマッチングを防ぐために重要なのは実際に見学へ行くことです。実際に院長やスタッフと会って話をして良い印象を受ければ就職を考えましょう。また、現在は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から見学を断っている医院もあります。今でいう「withコロナ 時代」に合わせて、医院内やスタッフを動画撮影している求人サイトもあるためそれらをうまく使ってミスマッチングをなくすようにしましょう。

まとめ

若手歯科医師にとってスキルアップは必須です。勤務医として続けても、開業を見据えてもスキルアップすることで自分や患者さんにとって利益をもたらすことは言うまでもありません。自分がスキルアップできる歯科医院とマッチングできるためにも参考にしてみてください。